「2015年12月」の記事一覧

2015年度の仕事おさめ

11月、12月は毎年全国各地で講演会に呼ばれます。 12月の講演会でとても感動的な出来事がありました。 講演が終わり壇上から降りてくると、小学生の女の子が私の書いた童話館の姉妹本2冊「気もちの本」と「あなたが守るあなたの心、あなたの身体」を持って、近づいてきました。 「サインしてください」 「もちろんよ。わたしの本を読んでくれてありがとう」と言いながらサインしていると、彼女のお母さんが近寄ってきて言いました。 「この子は今8歳。4歳のときに性暴力を受けて、そのときからずっとこの2冊の本を読んできて自分を癒したんです」 お母さんがそう言っている間、彼女は、そう、そう、そうなのよと言わんばかりに、目を輝かせて微笑みながら無言で大きく何度もうなずきました。 わたしは胸が熱くなって涙が出そうでした。 「そうなんだ。すごいね!! 素晴らしい!! こわかったことをお母さんに話せたんだね。すごいよ!! そして勇気をもってこの2冊の本を読んでくれたんだ。えらいね!!」 心からの賛辞でした。 すると彼女は嬉しそうに笑ってまた大きく何度もうなずました。 「ありがとう。こんなに嬉しいこと、めったにないことなの。ハグしてもいい?」 うなずいてくれた彼女をしっかりとハグして、わたしは、世界一幸せでした。     性暴力、いじめ、虐待、引きこもりなどで悩む子どもたちが「気持ちの本」を読むことで回復していったという例は、今まで手紙や口頭で何度となく聞いていますが、今回のように直接子どもから知ることは初めてです。 性暴力被害を受けた子どもの回復は、最も身近な大人(多くの場合母親)のその後の関わり方にかかっていると、長年書いたり論じたりしてきたことの見事な例証でした。本が少女の回復をもたらしたのではないです。このお母さんが4歳の娘にやさしく何度も読んできかせてくれたからです。お母さんが、子どものレジリアンシーを信じてしっかりと寄り添い続けてくれたからです。 ――――――――――――――――――――――――――― 12月19,20日開催の「性的虐待とDV:エンパワメントとレジリアンシーの方法とスキル」でした。新しい内容でパワーアップした研修の準備に渾身の力を注ぎました。沖縄、鳥取、新潟、関東、長野などなど全国各地からの参加者とどっしりと手ごたえのある2日間を過ごし、心地良い疲労感と共に、翌日カリフォルニアに発ちました。2015年度の仕事収めとなりました。   2016年最初の研修は、1月23日、新大阪会場で、「講師塾~講師力をみがく7つ道具と10の技」 http://empowerment-center.net/koza/#koushijyuku 人をひきつける講師となるための3条件と7つ道具と10の技を駆使して、あなたも2016年からは「カリスマ講師」になってください。 あなたの強みを生かした魅力的な講師になるための個別コーチングをします。 仮想の講演のテーマ、時間、対象を考えて来てください。 では、1月23日に新大阪で会いましょう。2016年の抱負もお話しします。  

ALOHA KIDS YOGA ジュニアリーダー 新潟で学会発表

11月21日(金)第21回子どもの虐待防止学会学術集会(JASPCAN)新潟大会で、この1年間に渡って実施してきた4つの情短・児童養護施設でのヨガの発表をしました。最初は10人の11歳から14歳の少年少女たち、ALOHA KIDS YOGAジュニアリーダーが20分間のパーフォーマンスをしました。約120人の参加者を前にして、伝統的なヨガアーサナのウオームアップをし、太陽礼拝を安室奈美恵のhip hop music でやり、さらに簡単なヨガを観客に教え、最後は一緒に3分間の瞑想で閉めました。半年前、1年前には、10分とヨガマットの上にとどまることが出来なかった子、すぐに外に出て行ってしまった子、自分の内側に集中することがまったくできなかった子たちも、まるで熟達したヨギのように瞑想をしていました。 10人が飛行機で新潟へ。中には初めて飛行機に乗る子も。 会場に直行し、リハーサルをするまでは、ドキドキしていた子たちも、真っ白なユニフォームを着て、横断幕の前に立ったら、しっかりと自分の心の内側に意識を集中させて、見事なパーフォーマンスでした。 その晩の中華料理屋での打ち上げ振り返りで、「どうだった?」と聞くと、どの子も「楽しかった!!」の連発。 わたしや付添い職員の大人たちは嬉しくて嬉しくて、「あなたたちは、すごい。」の連発。来年は25人で出たいねと。 わたしが4つの情短・児童養護施設で実施したヨガクラスは11月中頃で180回。合計約100人の子どもたちにヨガを教えた1年と2か月でした。施設の職員さんたちのサポートに感謝です。 それぞれの施設では、施設職員がALOHA KIDS YOGAのリーダー認定コースを修了して、わたしのバックアップをしてくれました。今後はその大人リーダーとJrリーダーとで、各施設にヨガクラスを根付かせていってもらいます。 この一年余りのヨガクラス実施の効果調査をし、その結果を調査研究の第一人者、和田一郎氏に分析してもらいました。 「施設職員は、子どもたちの内的変化に有意な効果を見ていることが明らかになりました。これは先駆的な調査です。子どもを対象にしたヨガ効果調査は国外にもないので、大人対象の先行研究をみると、まず、内的変化が見られ、その後に外的変化が出てくるとのこと。33例という少ない数ではあるが、充分な効果を認めることができた」と報告してくれました。 以下、学会発表の際の資料を添付します。和田一朗さんの研究は、一部のみ、グラフと結論だけを添付します。 10人の子どもたちの新潟行交通費の全額援助を惜しまずしてくださったビンディエーテ株式会社の野口会長、伊良部社長に心から感謝の意を表します。

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