中一男女誘拐殺害事件から

親 、子ども、学校関係者を震撼させた中一男女誘拐殺害事件の発生から15日目、事件の起きた寝屋川市の子ども室の依頼で講演をしました。

教師、校長、教育委員会、児童福祉、相談員、保健師、保育士、心理士、民生児童委員ら約150人の方々。

何ができるのか、三つの提案をしました。

①今、街中に蔓延している不安の感情をどう受け止めるか。不安や怒りの感情的リアクションから対策を考えると大きく間違う。10年前の寝屋川市立中央小学校教職員殺傷事件後の対応から何を学ぶか。

不安は危険な感情。不安に圧倒されると人は思考停止になり、理性的な判断ができなくなる。リアクションとしての対応策を講じて、子どもたちのために何かをしたと思わないでください。警察パトロールや見守り隊巡回強化で、ティーンズの夜間徘徊を減らすことはできません。

②ティーンズの発達を理解するキーワードは「帰属感」です。子どもたちの夜間の居場所つくりの緊急性。家庭にも学校にも居場所がない子たちのサードプレイスが必要です。

③あなたは子どもの話を聴ける大人ですか。「うざいな」と言ってそっぽを向く子どもにどう語りかけますか。ロールプレイで練習しました。

森田ゆり講演会・中一男女誘拐殺害事件から01

森田ゆり講演会・中一男女誘拐殺害事件から02

 

ところで、首相官邸の下に設けられた教育改革国民会議は、教育を変える17の提言で「人間性豊かな日本人を育成する」目的のもと、資料にはぎょっとするような提案が散見されます。

「『しつけ3原則:甘えるな、他人に迷惑をかけるな、生かされて生きることを自覚せよ』の実施」

「お寺などで『我慢の教育』」。

「子どもを厳しく飼いならす必要があることを国民に覚悟してもらう。」

「警察OBを学校に常駐させる。」

「他の子どもの学習する権利を妨げる子どもを排除する権限を学校に付与する。」

「家庭に床の間、学校に教壇の復活」等々。

今回の寝屋川事件を引き合いにだして、時代錯誤なこの教育改革提案が主張されることを恐れます。日本の学校教育は改革が必要ですが、こんな内容の改革が家庭、学校で徹底されたら、今回のような事件発生の危険性は一層増大するでしょう。
関連テーマの研修案内

11月29日(日)10時~17時 新大阪会場 (JR新大阪駅より徒歩5分)
テーマ:「しつけ・体罰・虐待:体罰の子どもに与える影響と体罰に代わる子どもとの関わり」
講師:森田ゆり
内容:講義、グループディスカッション、アクティビティー、ロールプレイ
詳細・申し込み  http://empowerment-center.net/koza/#shitsuke

森田ゆり講演会・中一男女誘拐殺害事件から03


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