「児童虐待防止法の改正を準備する会」会報第5号

「児童虐待防止法の改正を準備する会」会報第5号 (2002年10月31日)より転載

森田 ゆり(エンパワメント・センター主宰)

いち

いちってね
つまりぼくがね いちなのさ
ぼくは せかいで ひとりきり

いちってね
つまりママがね いちなのさ
ママは せかいで ひとりきり

いちってね
つまりきみもね いちなのさ
ぼくと きみとで 2になるよ

いちってね
だけどちきゅうは ひとつなの
ぼくと きみとで てをつなぐ

いちってね
だからはじめの かずなのさ
ちいさいようで おおきいな

谷川 俊太郎「誰もしらない」(国士社)より

 
2000年6月に成立した「児童虐待の防止などに関する法律」は、保護者から子への暴力を禁じる法律が日本で初めて成立したという歴史的意義において画期的なものでした。しかし子どもへの虐待件数を減らすためには、あまりにも不十分な法律です。

現場にいる人々の虐待ケースへのさまざまな努力と工夫を、その場限りの対処法に終わらせるのではなく、虐待問題の抜本的解決という目標に向けた貴重なひとつひとつの成果として積み上げていくためには、効力のある法的枠組みを整備することが不可欠です。その枠組みを作るためにも、わたしたちは児童虐待防止法および児童福祉法の改正を求めます。

あなたという「いち」とわたしという「いち」とが出会い、またべつの「いち」と出会い、そんな無数の出会いの連鎖こそが、社会の問題を解決し現状を変えていく原動力です。

来る12月13日(金)夕方に、東京日比谷で全国の子どもの福祉にかかわる人々や市民や当事者が集まり、「子どもの虐待死を悼み、命を讃える市民集会・パレード」を大々的に行います。5千人以上の参加を予想しています。同封のパンフをご覧になり、是非このような動きが起きていることを、周りの人に伝えて下さい。本会の代表森田が12,13集会の実行委員長を務めています。そこでまたたくさんの出会いを得ることができるでしょう。12月に日々谷公会堂でお会いしましょう。

 

もくじ

  • 会員に聴く:インタビュー「児童虐待防止法の改正に望む」…………………………………2      野口 啓示、 白山 真知子、 田中 優子、 飯島 成昭、 森田 ゆり
  • 今の虐待防止法の一番だめなとこは? ~夏休み長女と話したこと~ 山根 若子………7
  • ちいさなあのこ、巨大ないのち  松尾 理恵子………………………………………………8
  • 国会でCAP子どもワークショップ  森田 ゆり……………………………………………8
  • 国会議員が安心、自信、自由 ~歴史的瞬間に立ち会って~ ……………………………12
  • 会費納入のお願い…………………………………………………………………………………12

 

会員に聴く:インタビュー「児童虐待防止法の改正に望む」

児童虐待防止法が施行されて2年が過ぎようとしています。いよいよ改正に向けて動く時です。そこで今回、児童福祉の第一線で子どもと関わっている会員の方に、法律の施行をどのようにとらえているか、改正に何を望むかをお聴きしました。

 

神戸少年の町 指導員・野口 啓示さん

Q:簡単に自己紹介をお願いします。

野口:関西学院大学大学院社会福祉学科を卒業後、米ワシントン大学に留学し、その後“神戸少年
の町“に指導員として勤務するようになってから4年になります。

 

Q:“神戸少年の町”って珍しい名前ですが、どういうところですか?

野口:児童養護施設です。現在児童養護施設に70名、乳児院に20名がいます(定員一杯だそうです)。2年前からグループ・ホーム制を実施しています。10人ずつに別れて生活し、食事、入浴なども少人数で行っています。従来の大人数の生活では、どうしても大ざっぱになりやすく、少しでも家庭的な雰囲気をという子どものケアの観点からグループ・ホーム制をとっています。これにより職員の負担は以前にも増して重くなる面もありますが、グループ・ホーム制は順調だと思います。

“神戸少年の町”というのは、米で1917年に設立されたボーイズ・タウンからきてるんですよ。
フラナガン神父の夢を追いかけるという熱い思いが職員にはあって、英語名は“KOBE BOYS TOWN“っていいます。

それから、3年前から、虐待ハイリスクの親への指導の取り組みを行っています。虐待してしまう親を見ていると、本当にどうして良いかわからない、子どもへの対応のスキル不足を感じるからです。

何とか、こんなことも、あんなことも出きると具体的に伝えることができないか、との思いからです。(最近教科書を出されたそうです。「親の目、子の目」BNN新社)

 

Q:今、一番大変な事は?

野口:とにかく職員の定員不足です。子どもへのケアは不十分になりますし、職員には残業を強要してしまう事になり、泊まりも多いです。今、子どもは一人ひとりがとても大変です。難しい問題を抱えている子どもも多く、大人の関心が必要です。私たちがよく使う言葉に「ちょっと、待って」と言うのがあります。

目の前の子どものニーズがわかるのに、それに応えて上げられずに、「ちょっと、待って」。とても辛いし疲れる事です。思いがあるのにできないのは燃え尽きの原因です。

それから、親のケアの問題があります。私たちは子どもと関わっている訳ですから、親とはできるだけ対立したくはありません。でも親の中には精神科領域の人がいる場合もあります。また、児相のケースワーカーの人数不足から、養護施設が関わらざるを得ない時もありますが、人数的にも親の対応は難しい。神戸少年の町には家庭支援センターと言うのがあって、虐待後のアフターケアも望めるので、まだ恵まれているほうだと思いますが…

 

Q:児童虐待防止法が施行される前とされてからでは、何か目立った変化はありますか?

野口:虐待によるトラウマも含めて、出てくる虐待の件数がもの凄く増えているのは事実です。それと、目線の変化、と言うことが上げられると思います。例えばあざのある子どもがいたら、まず虐待を疑ってみる、その対応も念頭に置いておくというような事です。必要な時は内部レポートを作成しています。預かる側としても難しいケースが増えたかなという感じです。

 

Q:児童虐待防止法の改正は必要だとお考えですか?必要だとすればあなたの立場から何が一番
必要だと思われますか?

野口:改正は必要です。何よりもまず児童福祉施設の最低基準の改正、これはどうしても必要ですね。それと親の指導をどうやって行くかですね。なんら明記されていませんが、日本でも探せばたくさんあると思うのです。私たちのところの親への取り組み等。しかし、システムがないですから、これが明確になればと思います。また、防止法により、子どもの保護については多少なりとも進歩は見られると思います。次はその子どものケアをどうやって行くかだと思います。

 

Q:その他改正に対して言いたい事があれば何でもどうぞ。

野口:法律の施行、改正によって、理論は進んでも、それを具体的なものとして実行して行くにはどうしても金銭的なもの、人的なものが必要です。そのあたりのことも考えて欲しいですね。

 

摂津市家庭児童相談室、室長・白山 真知子さん
松原市役所児童課家庭相談室、家庭相談員・田中 優子さん

Q:簡単に自己紹介をお願いします。

白山:家庭児童相談員として、30年近く(断定すると年齢がばれますので)勤務しております。

田中:私は20年近くです。

 

Q:家庭児童相談室というのは?

白山:昭和39年に福祉事務所に設けられた相談機関です。一つの室に1~2人の担当者がいることが多いです。児童福祉課の中の家庭相談係という形を取っている所もあります。市町村に設置されているので、とても身近な存在です。また何の措置権もありませんので、ほんとうに親と子どもに寄り添って相談を受けることができます。相談にくる方にとっても、いつでも下駄履きでいけるような気安さがあり、駆け込み寺のような存在であれば、と思います。ただ、話をするだけではなく、見通しは持ってもらえるように心がけています。

児相の扱う問題の中の措置権のないところを私たちが扱うという感じです。育児不安、子どものけんか、不登校、思春期やせ等、子どもを巡る問題で相談に来られないものはないくらい幅広い相談を受けています。虐待問題で言えば、児相が措置権のもとに、虐待か否かという視点から入るのに対して、私たちはより親、子どもの側にたって、「大変やったねー」と入っていけます。ただ、何のバックもないだけに、腕を磨く事やネットを組んで各専門機関へ橋渡しが出きるようにする、ということが大切になってきます。

幅広い相談と言っても、施設によって差は出てきますし、特色を活かした取り組みということもやっています。例えば児童虐待への取り組みの一つとして“親子教室”というのがあります。親子で参加してもらい、遊びながら親子関係を強化して行こうというものです。育児を巡る不安、対人関係の悩みなどから虐待へと行ってしまうのを防ぐ、という意味で必要ですし、効果も大きいと思います。

 

Q:今一番大変な事は?

白山:とにかくお手洗いに行く暇もないくらい忙しい。相談に来る人が「忙しいのにごめんね」と気を遣ってくれる時もあるくらいです。相談は一件につき最低45~60分はかかりますし、もっと時間をかけてじっくり聴かなくてはいけない時もあります。

田中:特に虐待問題は一つの機関ですむ問題ではありません。各専門機関と連絡を取り合ったり会議を持つための調整をしたり、当然人の出入りは多くなります。また私たちは市の職員ですので、それに伴う事務もあり、とにかく忙しいです。

 

Q:児童虐待防止法が施行される前とされてからでは、何か目立った変化はありますか?

白山:法律の施行により、相談の内容が変わったというような事はありませんが、通告は増えました。そして私たちにとってはネットワークを作る大きな弾みになりました。また、行政責任が明確にされた点は、行政内部での効果が大きく、意識の持ち方が変わりました。例えばネグレクトなどがよい例で、以前は相談にも来ないのに何もこちらから行く必要はないのではという感じだったのが、何とかしなくてはに変わって来ました。

田中:虐待問題を巡る意識の向上と言う点も大きいと思います。専門家だけでは解決できず、地域とのつながりが大切であり、自分の専門領域で何をすべきか、どうコーディネイトしていくか、そういう意識に火がついたと言えると思います。

白山:ただ、まだまだ体制は整っていないと思います。また運用面でも、何かおかしいと思うこともあります。例えば金銭的な事で言えば、よく動き、お金を必要としている所に予算が下りてくるようにして欲しいですね。

 

Q:改正は必要だとお考えですか?必要だとすれば、あなたの立場から一番必要だと思われる点は何でしょうか?

白山:必要だと考えます。私たちは地域に密着した機関として数多くの相談を受け、認めてもらってはいます。でも、私たちには法的根拠がありません。地域子育て支援センター、児童家庭センターが設立され、児童虐待防止法が施行されましたが、家庭児童相談室の役割については何ら明記されていないんです。きちんとした位置づけが欲しいです。意欲も熱意もあるのに、何をよりどころに動いたらいいかわからないところがありますし、何故来たの?と思われることもあります。私たちは措置権のような権限はいりません。権限がないからこそ、子どもや親の目線でやっていけると思っています。

改正で法的根拠を明記してもらいたいと思います。

田中:私たちは市の職員なんですが、専門職だったり、行政職だったりします。専門性が必要な仕事ですし、ノウハウの蓄積も必要なので、そこを認識し、整備してほしいです。

また、虐待の通告先が児相と福祉事務所になっていますが、福祉事務所の役割が法的に明らかではないので、そこもきちんとしてもらいたいです。

 

Q:そのほか改正に対して言いたい事があれば何でもどうぞ。

白山:日本の治安の良さは派出所にあると言われます。私たちは子どもの派出所でありたいと思います。でも、ただ話を聴くだけでなく、治療と各機関への橋渡しという機能を備えた、行きやすい派出所であればと思います。

田中:現実に問題が起きた場合、すぐ動けるのは市町村の家庭児童相談室だと思います。虐待が起きた時、児相が子どもを家庭から分離するか否かの判断のために動き、分離をせずに在宅での援助となった場合、当事者の目線で長期にしかもきめ細かいケアを行って行けるのが私たちです。判断後の当事者のケアは機関を変えて行われる方がより効果的だと思います。当事者は自分の目線でしかも寄り添ってくれる人を必要としています。それをやっていけるのは家庭児童相談室だと思います。そのためにも法的根拠をきちんとしてもらいたいと思います。

 

東京児童相談センター、児童福祉司  飯島 成昭さん

Q:簡単に自己紹介をお願いします。

飯島:東京の児童相談センターで児童福祉司として働いています。東京には11カ所の児童相談所があり、児童相談センターもそのうちの一つです。数人でチームを組んでおり、そのリーダーをしています。センターに勤務するようになって5年になります。

 

Q:仕事の内容を簡単に説明してください

飯島:子どもの問題のケース・ワークを中心とする仕事です。子ども自身から直接相談を受ける事もありますが、関係機関や子どものお母さん、お父さんから相談を受ける場合が多いです。子どもが育つうえでのあらゆる問題、子育ての悩みから、子どもの発達の遅れ、養育の困難、非行、虐待の相談を受け、関係機関と連携して、問題解決の援助をします。

 

Q:今、一番苦労されている事は?

飯島:虐待問題に現れているように、家庭の養育機能の低下という事です。養育機能の低下した家庭をどう支援したら、子どもと向き合い、一人ひとりの思いを受け止める家庭に改善できるのか、難しい問題です。虐待を受けた子ども、非行に走る子どもは、不適切な養育環境の中で育ったため、生活能力が未熟で、また、自分を受け入れてもらった体験が少ないため深く傷ついていて、人との関係がうまくとれません。この子たちの傷を修復し、より良き社会人、家庭人として成長させる生活の場の充実が必要です。

 

Q:児童虐待防止法施行についてどのようにお考えですか?施行前と施行後では目立った変化はありますか?

飯島:こういう法律がなければならない、と言うことは本当は悲しいことですが、法律によって、“虐待は許されないこと”と明記されたことは意義あることだと思います。実際通告件数は増え、子どもを救える機会が増えました。また、警察、保健所なども含めて各機関、地域の連携が深まってきたことは大きいと思います。

 

Q:改正は必要だとお考えですか?

飯島:改正は必要です。まずこの法律には目的が書かれていないんですよ。“子どもの権利を守るため”と是非謳って欲しいですね。虐待の問題はいろんな機関が関わり連携をとっていかなければなりません。その際共通の目的・認識はどうしても必要です。

子どもを救うと言う点からは、24時間の見守り体制の必要を感じます。通報が増えているにもかかわらず、虐待により死亡する子どもたちが後を絶ちません。児童相談所だけでは限界です。通告先に警察も加える等、すぐ動ける体制があればと思います。

虐待の予防という点から、母子保健、小児医療の充実ということがあります。妊娠中から育児に不安を抱える人は結構います。保健所、保健士は出産直前から母親と関わることができるので、虐待の予防という点からの働きも期待できると思うのですが・・・

子どもの治療、回復のための処遇という点からは、まず、虐待を受けた子どもの救急所としての一時保護所の改善が必要です。一時保護所は現在満杯状態ですし、非行の子ども、虐待を受けた子ども、いろいろな背景の子どもたちが一緒に生活しています。虐待を受けた子どもが、安心して生活できるように、設備的な面、人的な面の両面からの整備が欠かせません。

更に、親から分離された子どもが生活する場である児童養護施設の見直しや、里親制度の充実が必要です。虐待によるダメージを受けた子ども、非行に走る子どもは対人関係が適切に取れないことが多く、今まで一人ひとりと向き合ってもらえなかったという思いが大きいです。ですからそこをきちんと対応してやらないと、対人関係の修復は望めません。これは、日常生活の様々な場面で一人ひとりの子どもを十分に受容し、個別的に関わる時間を十分に持つことで、可能となる事です。しかし今の児童養護施設の人員配置(1:6)では困難です。児童養護施設の最低基準を改正し、ゆとりを持って個別的な関わりができる人的基準に改めること、家庭的雰囲気のあるグループホーム充実が欠かせません。子どもたちは、自立して、地域社会のつながりの中で、社会人、家庭人として成長していくことが期待されます。そのためには、より良き家庭生活の体験の積み上げが欠かせません。里親制度の充実が望まれる所以です。

そのほかに、民法の懲戒場の規定はなくさなくてはいけないし、親権との関わりで、民法と児童福祉法の子どもの年齢のずれも解決しなくてはいけません。さらに虐待の定義が狭すぎ、現実に親の恋人からの虐待など、今の規定ではスムーズに助けて上げられない事例も出てきています。

それから、虐待親から分離保護された子どもの生活の安全の確保のためにも、家庭裁判所の関与による親権の柔軟な制約も必要です。

 

Q:その他、改正に対して言いたいことがあれば何でもどうぞ。

飯島:虐待問題の対応は、関係する機関が連携して取り組む事が不可欠です。適切な家庭支援や子どもの保護のためには、連携の重要性と、連携に関わる関係者相互間に情報提供義務と提出された情報の秘密保持義務を規定する事が必要であると思います。

また、地域の各機関を横に結びつけるという事がまだできていないと思います。各市町村に、子育てに関する調整担当組織(例えば子どもの権利担当係り等)を創り、そこが中心となり、福祉・保健医療・教育等の子どもに関わる機関が地域の中でネットを組んで、地域ぐるみで子育て家庭を支援する環境が作られればと思います。

一人ひとりの子どもを個人として大切にする。そのことを国・地方・社会の責任として実現する事が、児童福祉法の理念にかなう道であると思います。児童虐待防止法の改正をそのための契機とすることを願っています。

 

児童虐待防止法の改正を準備する会、代表  森田 ゆり

Q:児童虐待防止法の改正が必要な点はたくさんあるかと思いますが、これだけはどうしてもという3点をあげるとしたら何でしょうか。

森田:改正必要点は多岐にわたります。虐待防止法だけでなく、児童福祉法の改正も必要です。民法の身上監護権、懲戒権も改正が必要です。

虐待防止法のたくさんの改正必要点については同封の青と白のパンフに書いてありますので読んでください。ただ、残念なことにそのパンフにぬけている大切な改正必要点があります。今まで、この誌上でも他のところでも書いたり語ったりしてきたことですが、あらためて強調します。

1.この法律にはヴィジョンが明記されていません。子ども虐待とは子どもに対する力の濫用であり、身体的社会的に力の優位に立つ大人が、子どもの人としての尊厳、すなわち人権を侵害する行為です。子どもの人権を擁護するというヴィジョンがこの法律には明記されていません。「子どもの人権」という言葉はついに一言も入りませんでした。

「児童買春・ポルノ行為からの児童保護法」(平成11年5月成立)や「DV防止・保護法」(平成13年4月成立)では、第一条または前文において法の目的が人権尊重であることを明確に条文化しています。児童虐待防止法でも子どもの人権尊重の理念を明文化する必要があります。

参議院共生調査会(小野清子会長・自保)が虐待防止法施行以降の虐待問題の現状を半年間調査した末に、今年の6月に発表した児童虐待防止の施策に関する中間報告書にもこのことは次のように、第一に取り上げられています。

「5、児童虐待の防止等に関する法律の見直しに当たっては、子どもの人権尊重の理念の明文化に留意して充分検討がなされる必要がある。」(中間報告書)

2. 虐待のない社会を作るためには、子どものときからの予防教育の徹底が最も効果的でかつコストがかからない対策です。カリフォルニア州では1985年に子どもの虐待防止教育法を制定し、幼稚園から高校まで公立学校で、人権概念に基づく予防教育プログラムの実施を義務づけました。日本でも学校教育の中で、子どもの人権感覚を育てながら、虐待や暴力から身を守るための教育プログラムを日本中のすべての子どもに提供する必要性をこの法律の条文の中に定めてほしいものです。

1で引用したのと同じ参院共生調査会の報告書はこう提言しています。

「4、児童虐待の防止についての提言」の冒頭で、「虐待を防止する予防的な教育の一環として、(中略)学校教育において、子ども自らが自分自身の身を守るような教育の推進に努力していく必要がある。」(中間報告書)

3. 改正の必要な第三点です。虐待が起きていることを把握していても、親子分離に親が同意しない場合の対応の困難さはすでに充分論議されて来たことです。

<親によって虐待されている子どもの身上監護権を一時的に国または地方自治体があずかる>+< 虐待している親に回復ケア受講命令を出す>+ <家族再統合の基準を設定し判断する(すなわち措置解除の基準と判定)>。

この三つを裁判所の迅速な判断で行うシステムは、被虐待児へのケア、親へのケアを実現するために不可欠です。こうした判定を児相がするのではなく、裁判所が迅速に判断し、児相がコーディネイトし、モニター、フォローする。

裁判所の関与によるこのシステムがないということは、現場でのさまざまな試みと努力の土台がないということです。

虐待している親への回復のためのケアがないことが指摘されて久しいです。ケアがないひとつの理由は、司法が関与する法的枠組みがないためケアを提供することが難しいからです。児相でも施設でも、熱心な職員は、心身すりへらして、工夫をこらして一つ一つのケースに対処しています。それは身近で見ている者にとっては、懸命な苦闘の連続です。そういうなかで、児相や施設では燃え尽ききてしまうワーカーの数がふえています。法的土台のない所でなされるこの方達の貴重な努力は、10年後、20年後に実りあるものへと積み上げていくことにならないのです。同時に法の受け皿作りも緊急に進められなければなりません。私は虐待する親の回復プログラムを開発し、助成金を得て昨年から実践しています。来春からそのプログラムのファシリテーター養成研修を始めます。

DV防止法では、保護命令を裁判所が出す法制化に成功しました。おそらく様々な抵抗を乗り越えての法制化でたやすくできたわけではないと想像しています。DV法の立法に尽力した人々の経験と知見を児童虐待防止法の改正にあたって借りる必要があります。と同時にDV法の保護命令の改正も不可欠です。保護命令は加害者がパートナーに接近することを禁じてはいても子どもへの接近禁止を明文化していません。そのため加害者が子どもに接近し、誘拐する、あるいは心理的身体的虐待を加えるなどの事件がおきています。

 

Q:どれも重要な改正ポイントですよね。きょうはありがとうございました。
 

今の児童虐待防止法の一番だめなとこは?~夏休み長女と話したこと~      山根 若子  児童虐待防止法の改正を準備する会会員

7月のある日、児童虐待防止法の改正を準備する会の会員として、12,13集会のための募金箱を作る事を思いつきました。適当な箱を探して、紙を貼って、絵を描いて…うーん、結構めんどくさい。自慢じゃないけど、不器用な私、あーでもない、こーでもないと箱をひっくり返して居ました。見るに見かねて長女が手を貸してくれました。「ほら、ここ押さえて、ここ切れ目入れて…」ほーっ。結構器用じゃん!

手を動かしていると、話やすくなるって、よく言いますよね。作業をしながら他愛もない話をしていた長女がこんな事を言いました。「お母さん、今の児童虐待防止法の一番だめなとこはどこなん?」一瞬びっくりした私でしたが、すぐに話し始めました。私の活動にあまり関心を示さない、と思っていた長女でしたが、ちゃんと見ていてくれたんだ、そんな気がしました。とても嬉しい一時でした。ほんの些細なことかもしれません。でも、私の身の回りで、一人でも、二人でも虐待防止法に関心を持ってくれ、改正をしなければ、と思ってくれれば、それはとても大切な事ではないでしょうか。私はすっかり嬉しくなってしまい、頼まれもしないのに、2個も募金箱を作ってしまいました。

鳩の絵と、女の子が赤ちゃんと遊んでる絵(国会議員が虐待防止に向けて動くきっかけの一つとなったコミック、凍りついた瞳の続編からの絵、両方とも長女がかいてくれました)の募金箱。どこかで見かけたら、ぜひ募金にご協力下さいね。
「ちいさなあのこ、巨大ないのち」  松尾 理恵子 関西学院大学2回生

ちいさなあのこ
あまりおしゃべりしなかったけど
じっと動かない瞳の光
伝えていたね
ちいさなあのこ
みんなよりもずいぶんやせてたけれど
ぎゅっと胸にしがみついた5本の指
強かったね
ちいさなあのこ
傷だらけ

怒りの石をぶつけなさい
悲しい川を流しなさい
苦しむために
生きているんじゃないんだよ
川はきっと
とがった小石を優しい砂に
いつか流れて大きな海に
こわいものなどないんだよ
砂のお城をつくったら
いかだで旅へと出かけたら
できないことなどないんだよ

並んでのぞいた水たまり
2つの顔があかい空に
ぽつんと揺れたね
あのこは少しおどろいた
あのこがわらうと
夕顔さいた
ちいさなあのこ
巨大ないのち

 

国会でCAP子どもワークショップ 森田 ゆり

CAP in 国会

その日7月23日。国会前の通りは有事法制の廃案を要求する人々であふれていた。弁護士団体、航空港湾従業員、教職員、電信電話関連職、宗教者などが色とりどりのプラカードや旗を掲げて行進したりスピーチをしたりしていた。友人、知人の顔もちらほら見えた。その中をぬってわたしたちは衆議院議員会館に入った。わたしたちとは特定非営利活動法人CAPセンターJapanの事務局長桝井喜洋子、CAPセンタースタッフ松林恵美子、CAP全国トレーナー西野緑とわたしだ。

きょうわたしたちは、国会議員や議員秘書たちに子どもになってもらって、CAP子どもワークショップの小学生版を体験してもらうためにやってきた。主催は超党派のチャイルドライン議員連盟(会長・河村建夫 自民党)で、延長国会期間中の衆参両院議員、議員秘書、報道関係者など50人が集まった。
CAP(子どもへの暴力防止)プログラムは、子どもの人権をわかりやすく教えながら、子どもが暴力から身を守るための方法を、寸劇や人形劇、歌やジェスチャーや討議などの年齢に応じた様々な参加型授業で教える。地域のNPO団体CAPが、学校の授業時間をもらって、子ども、親、教職員にそれぞれ別個にワークショップを提供する。

CAPが日本で実施され始めて7年になる。CAPを実践するための専門的研修講座を終了して活動するグループは約110。沖縄から北海道までほとんどの都道府県にCAPグループがたちあがっている。今年の3月までの全国のCAPグループからの報告では、日本ではすでに51万人以上の親や教職員が、そして48万人以上の子どもたち(就学前、小、中、高校生)がCAPプログラムを受けている。大変な数である。

学校の授業時間をもらってワークショップをするというこのプログラムの方法を考えた時、ワークショップをひとつ実施するにも、親、教師、教育委員会の信頼を獲得して、予算をたててもらってと、実施までの道のりは決して平坦ではない。全国のCAPスペシャリスト(実践者)は地道にこつこつと地域での活動を重ねながら、コミュニティー内での信頼を獲得してきた。48万人の子どもたちがCAPを受講したという数の背後にあるCAPスペシャリストとそのサポーターたちの熱意と意志と努力に驚嘆しないではいられない。

自民党、社民党、共産党をはじめ、ほとんどの党からの参加者を得たこの会合で、議員さんたちは最前列に座り、「みなさん、小学4年生だというつもりになってくださいね」とのCAPトレーナーの声にしっかりと集中した。

「安心な気もちって、どんなとき感じる?」とCAPトレーナーが聞くと、議員さんたちは皆、一生懸命考えて発言していた。「自分の家に帰ったとき安心」「おふとんの中にいるとき」「国会質問が終わったとき」なんていうのも出て来た。

いじめにあった子どもが、友達の力をかりていじめる子に対応する寸劇では、劇を演じたCAPメンバーが「ぼく、こまったな。ぼくのお金をとりあげるあの上級生にまた会うかもしれないから、誰かぼくと一緒に来てくれないかな?」と一人の男性に参加を求めると、土井たか子議員が「もっと強そうな人をえらばなきゃ」と。そこでCAPスタッフはすかさず「それじゃ、たか子ちゃんも手伝ってよ」と土井議員も劇に参加。いじめっ子と対面したたか子ちゃんは、「あんた、人のいやがることするのやめなさいよ!」と大きな声で何度も言い放ち、いじめっ子役はたじたじとなって退散。会場は大爆笑となった。

たくさんの笑いの後に、CAPを受けた子どもたちや親からの報告やエピソードをトレーナーが話すと、議員の中には涙ぐむ人もいた。中学一年生の女子A子は場面緘黙で、教師も他の生徒もその子が口を開いた所を見たこと聞いたことがなかった。「あなたたち一人一人は、大切にされる権利があって、誰もが安心、自信、自由の権利を持っている」とCAPの人権概念を教えるCAP子どもワークショップの前半では、A子は一言も口を開かず、じっとワークショップの進行に耳を澄ましていた。その後のいじめの劇になり、「誰か、出てきて友達役をやって、いじめられているこの子のちからになってくれませんか?」との呼びかけにA子は突然手をあげて参加の意志を表わした。CAPスタッフも教師も生徒たちも驚いた。今迄口を開いたことのなかった子なのだ。その子がいじめっ子役に対して「あなたにそんなことする権利ないわよ」と大きなしっかりした声で言ったのだから、みんな唖然とした。

あとで A子はCAPスタッフに泣きながらこう語った。「小学校でずっといじめられて来た。誰も自分をわかってくれない、誰も信じられないと思い続けて来た。」「寸劇の中で言ったこと、あれは、今迄ずーっとわたしが言いたかったこと。」 CAPスタッフは今後誰がA子の相談に乗ってくれるかを話し合った。A子は担任の先生にこれからは相談できるかもしれないと言った。

CAPを実践していると、このような子どもの反応に頻繁に出会う。プログラムが子どもの本来持っている力を引き出すのだ。親も「CAPを受けていたおかげで、子どもが暴力にあって家に帰って来たとき、どんな言葉かけをすればよいか知っていてほんとうに助けられた」、教師も「CAPワークショップで子どもからの相談の受け止め方の練習をしておいてよかった」などと感謝の言葉をしばしばもらう。CAP実践者のあらゆる苦労が報われるもっとも嬉しいときである。その日、国会議員や秘書たちは、そのわたしたちの嬉しさに共感しプログラムの効果に感動してくれた。

河村建夫議員連盟会長も最後にCAPへの協力をこう約束した。「このプログラムは、日本中のすべての子どもたちに受けさせなければいけない。そのために、わたしは自分のできるあらゆることをしましょう。さっそく文部科学省にも伝えましょう。」

社民党の土井たか子党首は「このプログラムは受けた子と受けなかった子では人生が変わりますね。」と礼賛した。議員たちは厚生労働省や文部科学省の役人たちにもこのCAP子どもワークショップに参加する機会をつくったらよいなどの意見を交わした。

その日わたしたちは、明確な要望項目をもってこの会に臨んだ。二つだけに絞ったシンプルで明解な要望を文書にし、そして会の最後、人々の感動が止まない前に参加者にはっきりと伝えた。

「チャイルドライン議員連盟の方々、その他の国会議員の方々。
①CAPプログラムを支持し、応援してください。日本のすべての子どもたちにCAPを、とのわたしたちの願いの実現に力を貸してください。
②児童虐待防止法の改正にあたって、CAPのような人権感覚の育成と同時に暴力から身を守る方法を具体的に教える暴力防止プログラムを、学校教育の中で実施することの必要性を、虐待防止法の中に明文化してください。」
児童虐待防止法の改正

児童虐待防止法が制定されたその前年の1999年以来、わたしは、国会内で児童虐待、DV、子どもの教育と福祉に取り組む衆参両院の委員会や議員連盟に呼ばれて意見を述べる機会が数回あった。その度に、介入、治療システムの整備が不可欠であること、司法の関与強化の必要性を語った。と同時に、CAPのような予防教育の必要性を訴え、子どもの人権についての理解を得るために毎回手法を変えてプレゼンテーションしてきた。今回のCAPワークショップの実施の提案も、議員さんたちに子どもになったつもりでCAPワークショップに参加してもらうのが、子どもの人権についての理解を得る効果的な方法だろうと考えたからだった。

「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」(俗称DV法)を作った超党派の参議員共生調査会(小野清子会長・自保)は、DV法が昨年秋に施行になった後は、児童虐待防止についての勉強、調査を半年間行い、3回の参考人意見公聴会と1回の現地視察を行った。

その間わたしは参考人として、虐待防止法の改正必要点の指摘、子どもの人権の視点の重要性、CAPのような予防教育の必要性、DVと子ども虐待の相互関連についての本格的調査の必要性などについて公聴会で提言した。調査会は半年に及んだ調査を終えて、6月末に児童虐待防止の施策に関する中間報告書をまとめた。

この報告書の中心部分「4、児童虐待の防止についての提言」の冒頭で、CAPのような予防教育の必要性が提言された。

「1、虐待を防止する予防的な教育の一環として、(中略)学校教育において、子ども自らが自分自身の身を守るような教育の推進に努力していく必要がある。」

また「5、児童虐待の防止等に関する法律の見直しに当たっては、子どもの人権尊重の理念の明文化等に留意して充分検討がなされる必要がある。」とわたしたちが主張し続けた事柄がそのまま共生調査会の提言として取り入れられ、とても嬉しい思いだった。信念はあきらめずにいつまでも言い続けることの大切さを強く実感した。
希望と夢の鎖をつなげよう

児童虐待防止法の改正をなんとか実りあるものにして、子どもたちを虐待や暴力から守るために効力を持ちうる法律にしたいと真剣に願っている。この法律は議員立法で主として議員先導で掛け足で成立した。現場の人々、市民、当事者の声が充分に反映された立法プロセスだったとは言えない。しかし来年をめどにしているこの法律の改正は、市民、現場の人々の長年の要望と願いと思いが先導する動きになりつつある。日本中の子どもに関る団体、虐待問題に携わる組織や個人、市民が防止法改正のためにつながりはじめた。

来る12月13日の夕方、全国の福祉の現場の人々、福祉行政、NPO、当事者、個人が、東京日比谷に集まり「子どもの虐待死を悼み、いのちを讃える市民集会・パレード」を開く。5千人以上の参加を期待している。戦後50数年、子どもの福祉の分野は忍従を強いられ続けて来た。そして劣悪な児童福祉の施策にも一致団結して抗議することなく、それぞれがばらばらに予算的、人的な充実を図ろうと苦闘して来た。

日本では3日に一人の子どもが虐待で殺されている(CAPNA調査)。同じく3日に一人の女性がDVでパートナーから殺されている(警察庁報告)。その数の背後には、殺されなかったが深刻な虐待を受けているおびただしい数の子どもたち、女性たちがいる。戦争であれ、虐待であれ、体罰であれ、DVであれ、暴力を容認、黙認、無視する社会の意識、常識を変えない限り、この問題は決してなくならないし、発生件数を減らすこともできない。

防衛予算は増加しても虐待防止と児童福祉への充分な予算が組まれることのない国の政策の現状に、もうこれ以上我慢しつづけることはできない。虐待を受けた子どもたちが保護されている施設の物理的環境そのものが、予算がないがゆえに子どもへの人権侵害とも言える状況なのだ。この集会は子どもの福祉分野の人々が一団となって国策への怒りを燃やし、子どもの人権を守る理念を確認しあい、児童虐待防止法、児童福祉法、児童福祉施設最適基準の改正と制度の改善を要求する。歌や踊りやパレードで、子どものいのちと人権(生きる力)を讃歌する。

どうせ世の中変わらないとの無力感をもしあなたが覚えているのなら、この集会に来て、不平を語り怒りを共有し、希望をあえて口に出し、ともにパレードすることで夢を共有しましょう。現実の厚い壁にぶつかっているのなら、この集会に来て、やはり厚い壁にぶつかる人々に出会いましょう。わたしとあなたとあなたの仲間とあなたの家族とそのまた友人と、果てしなくつづく希望の連鎖、暴力がなくなりいのちの讃歌にあふれた社会への希望と夢の鎖をつなげていきましょう。希望のネットワーク化にあなたも加わりませんか。

( 月刊「ヒューマンライツ」2002年10月号より転載)

 

国会議員が安心・自信・自由 ~歴史的瞬間に立ち会って~
山根 若子  児童虐待防止法の改正を準備する会会員

7月23日、チャイルドライン設立推進議員連盟の勉強会で、CAP子どもワークショップが行われました。防止教育の法制化を心より望むものとしては、この歴史的瞬間を見逃してなるものかと、梅雨の明け切らぬ蒸し暑さのなか、東京へと、国会へと向かいました。

当日はまだ会期中で、国会周辺は物々しい雰囲気に包まれていました。数々のシュプレヒコールが飛び交い、日本山妙法寺のお坊さんたちの御祈念が続くなか、緊張して議員会館へ。簡単なパスをもらい、会場へ。その日は有事法制を始め数々の勉強会、集会が開かれており、ほんとに議員が来てくれるのか、急に不安になりました。出席予定者のリストを見せてもらうと、10人以上の国会議員の名前があり、まずは胸をなでおろしました。そして直前に社民党党首、土井たか子議員の出席があり感激しました。いざ始まってみると、15人の国会議員、多くの議員秘書などで、会場はほぼ一杯になりました。

森田代表の簡単なスピーチの後、いよいよ子どもワークショップの始まり!! CAPトレーナーの「みなさん、小学校3年生になったつもりで!」の声に、もうすっかりその気分。CAPトレーナーの一言、一言に頷いたり、言葉を返したり、時には笑いの渦に包まれたり…和やかな雰囲気の中、進められていきました。安心・自信・自由はみんなジェスチャー付きで言ってくれ、特別な叫び声の練習では大きな声を出してくれました。土井議員は寸劇にまで参加してくれ、その場を盛り上げてくれました。参加者の方が特別CAPに関心をもっていたせいもあるとは思いますが、CAPプログラムが、抵抗なく、皆さんの胸に落ちて行くのを肌で感じました。改めてこのプログラムの凄さを思い知らされました。

いつの日か、日本中の子どもたちがCAPプログラムを受け、自分にもそして友達にも安心・自信・自由の権利があると理解してくれたら、きっと何かが変わる、そう確信して、国会を後にしました。

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